コラム

ヒアルロニダーゼの広範囲・大量使用について

ヒアルロン酸で血管内塞栓などを起こした場合はできるだけ早く、ヒアルロニダーゼを”大量に浸す”必要があります。
使用量の目安の一例ですが、以下の論文では1区画あたり500~1500単位の大量使用を推奨しています。

 


DeLorenzi C. New High Dose Pulsed Hyaluronidase Protocol for Hyaluronic Acid Filler Vascular Adverse Events. Aesthet Surg J. 2017.
より画像引用

 

しかし一方で、ヒアルロニダーゼはアレルギーの報告が多い薬剤としても知られています。
大量使用に伴ってアレルギー発症の可能性が更に高まるのは容易に想像がつくかと思います。
確率は低くとも、アナフィラキシーショックのような可能性も想定して対処できるよう備えておく必要があります。


ヒツジ由来のヒアルロニダーゼは、主な製剤の規格が1500単位なので大量使用に向いています。
また何といっても値段が圧倒的に安いです。
ヒト由来製剤のHylenexと単位数あたりの仕入れ値ベースで比較すると、なんとイギリス製HYALASEで40分の1、韓国製HYALAZEで80分の1です。
ヒツジであれば、涙袋をちょっと溶かす程度の使用なら、はっきり言って数百円のレベルです。


当院では患者様の安全にこだわり、高価ですが最もアレルギーを起こしにくいヒト由来製剤のHylenexのみを採用しています。
こちらは1本で150単位規格の製剤なので、広範囲に使用するにはちょっと足りません。
ヒト製剤はすごく高いんです。中身が10分の1しか無いのに、更に値段が何倍もしますから。

しかし当院では、ヒト由来製剤だけを採用しています。
ヒツジ由来製剤を導入する予定は今のところありません。

 

ヒアルロニダーゼの大量投与が必要になった場合、コスト度外視でヒト製剤を何本も使うか、リスクを承知でヒツジ製剤を大量使用するか。
すでに有害事象が起きているのに、必要な治療とはいえ更なるリスク要因を加えるか。
実は悩ましい問題であります。


このような観点からも、”何かあったら溶かせばいいや”感覚の、勉強不足医師によるお手軽注入施術が減ればいいなあと思います。

 

ご理解のほど、よろしくお願いいたします。

 

 

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野本俊一(@Shunichi_Nomoto)

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